仕切りのないすがすがしい空間 祖父母が残した庭を望む 吹き抜けのある、平家風の住まい

 I様が実家の隣に住まいを建てたのは、今から1年ほど前になります。それまでは実家を2世帯にするか迷っていましたが、隣接する土地を購入できマイホームを建てられる運びに。実家のリフォームと我が家の新築を、並行して進めることになりました。
 ご夫婦は住宅関連の仕事経験があり、ともに家づくりやインテリアコーディネートの知識がありました。そこでパートナーであるSHU-HOUSEとともにさまざまな意見を出し合い、プランを作成。結果、センスを生かした理想的なマイホームが完成しました。
 I様邸の特徴は、仕切りのない平家風の空間であること。まず驚くのは、玄関という概念がないことです。「今は夫婦二人暮らしですし、コンパクトな家にしたかったんです。それでいて広く感じられるようこだわりました」とI様。家の中に一歩足を踏み入れると、玄関を部屋の一部に取り入れた広々LDKが続いています。さらに間取りで大切にしたのは「祖父母が大事にしていた庭を活かしたい」という思い。LDKからは実家につながる庭を眺められ、大きなサッシは常に開け放っておけるため、一層の広さを感じさせます。また梁の見える吹き抜けのリビング、白で統一したすがすがしいデザインも開放感を演出。デッキのある南側も開け放しておくことができ、心地よい空間が広がっています。
 I様邸には華美な照明器具はありません。昼は陽の光を取り込み、夜はダウンライトと間接照明が室内を優しく照らします。またお二人のセンスが光るインテリアコーディネートも、白を基調にあくまでシンプル。配置された家具はKAGULASやSHU-HOUSEの造り付けで、部屋全体に美しい統一感が生まれ、整った暮らしがうかがえます。これは、設計段階でSHU-HOUSEのアドバイザーが何をどこに置くか提案・決定してくれたおかげだそう。引っ越しがスムーズで、快適な暮らしがすぐに始められたうえ、新生活で困ることがなかったとお二人は話します。
 間取りは、1階にLDKとプライベート空間、水回りがあり、階段を上がった先に屋根裏部屋風の和室を備えています。「お友達が来た時泊まれるように」と作った和室。こちらはあえて天井を低くしており、「将来子どもができたら、基地のように楽しく使って欲しい」という願いも込められています。
 ご主人は「家をどうするか最初は迷いましたが、祖父母が大事にしていた庭や実家とのつながりを守ることができて良かったです」と話します。自然の光や風を感じるお宅で、奥様は今後、好きな観葉植物を増やしていきたいとか。緑が映える明るい空間へと、素敵な住まいがさらに輝きを増していきそうです。