祖父が残してくれた家を再生 昔ながらの梁や柱が味わい深い 木の温もりに溢れた古民家

 N様邸は、先祖代々受け継いだ家を再生させた温もりの古民家です。築60年ほど経つ家はかつて隙間風が吹き、細かく仕切られた室内は暗く、朝から電気が欠かせなかったそう。施主様は、生活の不便さを解消しようと家づくりを決意されました。「新しいものより古いものが好き」という施主様の希望に応えたのは、古民家再生のプロフェッショナルであるMIタウン企画部です。南国市にある同社の常設モデルハウス「ときめき遊楽園」を訪問した施主様は、木の温もりに満ちた、五感を刺激する古民家を目の当たりにし「電気が走った」と感じるほど感激。「夢が叶えられるのはここしかない!」と同社に依頼をされました。
 増築部分を含む母屋と、築100年を超す離れがあるN様邸。母屋のメインスペースは天井や襖を取り除き、広々としたLDKに生まれ変わりました。歴史を刻む梁や柱は味わい深く、杉の無垢材や洋漆喰の壁も優しい印象。住まい全体に清々しい香りが漂います。リビングには、施主様のリクエストで掘りごたつと一枚板のテーブルを造り付け。キッチンカウンターや食器棚も大工の手作りで、家全体に統一感が生まれています。リビングに続く和室は広さを変え、元の造りを残しました。昔の職人による美しい細工の建具が凛とした印象で、和の美意識が存分に感じられる空間になっています。
 眠っていた建具を再利用したり、美しい障子をそのまま生かしたりと、元の住まいを大切に受け継いでいるN様邸。中でも離れはかつてお祖父様たちが暮らしていた空間で、施主様は「絶対に壊されん」と思ったそう。そこで柱や梁、建具などは生かしつつ、「遊びの空間」に生まれ変わりました。
 裏手に流れる沢は涼やかで、かつて施主様の卒園記念に植えられた立派な桜は、春になると美しい花を咲かせます。花を眺めながらバーベキューをしたり、夏はビニールプールを広げてお孫さんが遊んだりと、まさにここはご家族の癒しの空間です。なお離れは片流れの屋根に再生し、太陽光パネルを搭載。母屋の夏場のクーラー代を賄っています。また母屋は次世代換気システムsumikaを採用しており、N様邸は人にも環境にも優しい健康的な暮らしを実現しています。
 思い描いていた理想の住まいが完成し、施主様は「思っていた以上です。本当に感激しました」と話します。かつて家を受け継いだ時は「こんな古い家…」と正直思ったそう。しかし生まれ変わった住まいは「素晴らしい!」の一言。再生によって新たな息吹がもたらされた住まいが、「祖父が残してくれたものを生かせてよかった」と話す施主様ご家族を今後も優しく見守ります。